会の目的

自分らしい「生き」「死に」を考える会の目指すところ

 今まで日本では、「死」について語ることは縁起でもないものとタブー視されがちでした。しかし、本当にそれでよいのでしょうか?

 たとえば……

  • あなたが事故や急病で意識がないとき、何を大事にして治療してほしいでしょうか?
  • 重い病で完治の見込みがなく、終末期医療を考えなければならないとき、誰と一緒に考えたいですか?
  • 病気になったとき、何を一番大事にして治療に臨みたいですか?
  • 延命治療はどうしますか? と聞かれたらどう答えますか?
  • いざというときに自分の意思を理解し代弁してくれる人はいますか?
  • もし家族が意識がなく終末期と判断され、あなたが治療の選択をしなければならなくなったら、あなたはご本人の意思を代弁できますか?

 このようなときに、日頃から家族や友人など近親の人たちと、生きるということ、死が迫ったときのことなどを話し合っていれば、きっと考える大きな助けになるでしょう。

 さらに言えば……

 終末期、特に高齢になった場合、最新の医療が必ずしもその人自身にとって最善の医療とは限らなくなってきているように感じます。また、たとえば“尊厳死”を望むという人がいた場合、尊厳のある死の形は誰でも同じなのでしょうか? 大事なのは人それぞれが望んだ尊厳なのではないでしょうか?

 あなた自身が望む生き方の質を保った終末期を迎えるには、判断力のあるうちから考えておくことが大切です。なぜなら、そこには医療を超えた、ご自身の人生観・死生観が強く影響してくるからです。

 当会は、「一人ひとりが自身の生き方を考え、その延長としての終末期医療を考えてもらいたい」と実感した者たちが集まってつくりました。メンバーは、医師・看護師・心理療法士・精神保健福祉士(PSW)・サイコセラピスト・編集者・主婦などです。それぞれの立場から知識や情報を提供し、治療の選択や終末期医療について皆さんが考えるときにお役に立てていただきたいと思います。また、ご自分や家族、友人と話し合うときの手立てを、できるだけ実際の現場に即してわかりやすく提供したいと考えています。